「いじめは犯罪だ。」
読むのがこんなに辛いのに、ここまで具体的に力を与えてくれる本もめずらしい。何故辛いかって言うと昔、中学~高校と「イジメッコ」かつ「イジメラレッコ」だったから。どっちも器用に平行して存在するわけじゃなくて卒業~入学という区切りでそうなっただけ。
つまり、加害者であり、被害者であった。ただ、この本に出てくるほど壮絶なイジメは無かった(と思う、というかそのころいじめてた同級生の気持ちはわからないので弁解でしかないけど)。でも、だからといって罪が軽くなるわけではないし、「いじめの構造」は何も変わっていないのだなと感じる。
だから、ちょっと傾いただけで一気にそっちに走っちゃう。グループのボスが、「あいつ、最近、ウザくない?」と一言言っただけで一気にいじめ(というか暴力=犯罪)が加速する。それに同調しないと自分が危ないというのが、肌でわかるぐらいに敏感な生き物。ま、野生動物だと思うべき。
この本が、スゴイと思わせるのは、著者自身はきっとこれを実際のいじめで悩んでいる(もしくは悩むであろう)親にマニュアルとして使って欲しいという意思が非常に強く表れているところ。何故かっていうと、大事なところは全部「太字」になっているから。その部分だけでもちゃんと覚えて、子供が通う小学校とか中学校とか高校の先生と対峙して欲しい、あなたが行動して欲しいという強い強い意思がみなぎっている。
「家族力」の時にも書いた「ゼロトレーランス」に関しても全くそれが万能の回答だとは言えないにしても、次善の策であり、なによりも被害者を救う今のところ唯一、効果のある方法論だと解説しています。
この本の目的は学校からいじめを根絶していじめの加害者に償いをさせることです。(15p)いじめの実態はおそるべき犯罪であり、こうした犯罪に学校は無力だ。(34p)いじめはどうしてなくならないのでしょう。その大きな原因は、実は「人間教育の理想」そのものにあります。いまの社会は「人間教育」を信奉し、いじめ問題も人間教育で解決できると思い込んでいます。そこに根本的な誤解があるのです。(53p)いじめを受けている生徒にとって、いじめっ子の将来的な立ち直りなどどうでもよいのです。いますぐ、いじめをやめてほしい。願いはこれだけです。そのために、いじめっ子たちが退学処分を受けようが、警察に逮捕されようがそれはそれでいいのです。(68p)いったい、いじめとはなんなのでしょうか?(中略)これに対して、本書の定義は簡明です。いじめとは「犯罪」なのです。(78p)ことの本質は、いじめを教育問題と見るか、犯罪問題と見るかのちがいです。(80p)いじめに責任があるのはクラス全体でなく、あくまでも実行犯の加害生徒です。(83p)いじめ=犯罪に対しては、ためらうことなく警察力を導入し、断固たる少年司法(刑事司法)で裁く必要があります。これが本書の立場です。(87p)教育の名の下に、いまの学校はとんでもない「無法地帯」になっています。世の中の犯罪が学校の門をくぐると、とたんに犯罪でなくなってしまうのです。(90p)社会で許されない行為は学校でも許されない」(90p)
Comments
PTA の親のなかには、もちろん常識のある良心的な人も多いですが、中には信じられないくらい自己中心的な親もいて、けっこうこういう親がめちゃくちゃな主張で話し合いで混乱させる傾向があります。なかなか論理的な話し合いができないので、先生方も適当なところで決着をつけようとする。紹介された本の公立学校の事例は、ぜひ、全国の学校の先生に必修の教科書にして勉強してもらいたいものです。ボクも読んでみたいけど、内容がとても辛そうで…
学校もだらしないと思うけど、一番奥深い根は、いじめをするような子を育てた家庭にあるような気がします。
それにしても Yasuyuki さんのお読みになる本の量はすごいですね。